函館市柏木町にある運動施設ホリデイスポーツクラブで女子サウナの天井が落下してしまい、漏水による天井材の浸食による落下ではないかということで、屋上や外壁の調査の依頼を受けました。
建物は鉄骨で作られています。
壁の調査から実施
赤四角で囲われた場所が女子サウナが位置する場所です。
まず壁の調査を行っていきます。
拡大して見てみると。。。
給排気口付近の外壁にクラックと呼ばれるヒビが生じています。
これは建材が収縮乾燥したり、地震による壁材への歪みで生じます。
この場所は給排気口があり、赤丸箇所の部分に連続して丸い穴が開いています。(今は銀のフードに隠れて見えませんが)連続して丸い穴が開いているということは、その場所の外壁材の耐力は、穴が空いていない場所に比べて弱くなっています。
その弱くなっている場所にクラックが生じてきているのです。
今度は屋上から給排気フードを見てみると。。。
屋上から給排気フードを覗き込んだ写真です。
赤矢印の部分が外壁から浮いているのが確認できます。
本来この部分はコーキングと呼ばれる止水材を施し、防水処理をしなければならないのですが、コーキングを行っていませんでした。
ここからも水が入る可能性が高いです。
次に屋上を調査します。
屋上に外壁材が突出している仕様になっているこの建物ですが、外壁の天端の防水処理は一般的に笠木と呼ばれる金属を被せて行います。(正確にはシート防水の端部処理で、シート防水の最後を留めつけるために用います。)
赤丸箇所を拡大して見てみると。。。
こんな感じになっています。
屋上の平場部分も見てみましょう。
屋上はシート防水と呼ばれる工法を採用しており、非歩行(人が常時歩いたりしてはいけない仕上げ材)となっています。
屋上のシート防水部分を入念に調査すると、シート防水に穴が開いている箇所を発見しました。
シート防止に穴が空いている場所は、赤丸の位置にあります。
屋上の排水口は黄色矢印の位置にあり、屋根の勾配もこの排水口に流れるように設計されています。
シート防水に穴が開いていた箇所は写真の赤丸箇所になるので、この場所から雨水が浸入し、屋上の勾配に沿って流れてくると、ちょうど女子サウナがあります。
女子サウナの天井に水漏れした1番の原因はここにあるだろうと推測できます。
その他の屋上シート防水箇所も調査すると、今回漏水した女子サウナと違う場所にも穴を発見しました。
4箇所ほど漏水予備軍が集中して同じ箇所にありました。
この屋上シート防水は先に説明したとおり非歩行とされていますが、建物からの非難口が屋上の上に設置されているので、常時ここを使って出入りしていたそうです。
人が何度も歩くと、人の重みでシート防水が破れてしまいます。
歩行する場合板やゴムマットなど衝撃を吸収できるものを敷かなければなりません。
次に屋上に突出した外壁の天端に取り付く笠木をコーキングします。
次に屋上のシート防水の補修です。
防水層を強くするため、網目状のナイロンクロスを貼り付けます。
次に外壁の防水塗装を施します。
ヒビが入っている外壁箇所には外壁材と同種の材料で補修していきます。
雨漏りの特定は建物がコンクリート造なのか、鉄骨造なのか、木造なのかで調査の仕方が変わります。
今回は鉄骨造でしたが、屋上や壁の材質や特徴を把握し、どう対処すれば雨漏れが止まるのか判断するのが私たちの仕事です。
また今後長く雨漏れがしないようにするにはどうすることが最善なのかアドバイスしたり、どの工法が適切か説明を行っています。
建物の外部は紫外線や風雨の影響で必ず傷んできます。定期的に検査したり、問題がなくても修繕して手をかけていかないと、あとで余計な出費につながります。
屋根や外壁は10年~15年のスパンで修繕していかないと、もっと大掛かりな工事につながっていきますので、大小問わず不安に思われることがありましたら、お気軽にお問い合わせください!