函館市松川町にある集合住宅の外壁漏水修繕工事を行いました。
建物は鉄筋コンクリート造4階建てで、4階部分にお住まいのお客さんの天井と壁から雨漏りが発生したので見てほしいと連絡を受けました。
雨も日になると出窓部分の天井から、かなりの勢いで降ってくるようで、雨漏れ対策でバケツを置いて凌いでいたそうです。
窓ガラスの上に部分にコンクリートの庇がありますが、その庇がコンクリート内部にある鉄筋の中性化によって爆裂して落下しており、この庇の部分から漏水していると予想できました。
外部足場を架けて近くで庇の状態を見てみます。
こんな状態です。
まずコンクリートが落下して、出てきた鉄筋に防錆処理と鉄筋をアルカリ性にする材料を塗布します。
鉄筋はコンクリートに包まれている状態のときは、アルカリ性を保っていますが、ひびが入って空気に触れると酸化していきます。アルカリ性→中性→酸性→錆びという順番で順を追うに従い状態は悪くなり、コンクリート中で膨らんでしまい、接着性がなくなり爆裂します。
まず酸化してしまった鉄筋をアルカリ性に戻す塗料を塗布し、そのあと壊れた庇部分を防水モルタルで整形していきます。
整形完了
これだけでも雨を防ぐことが出来ますが、この上に防水塗料を塗布します。
材料はウレタン系で、コンクリートの建物に合っている材料と言えます。
2階塗りして塗膜の形成を行い、水の浸入を防ぎます。
この工程を2回繰り返します。
仕上げ完了
最後に既存外壁色に似た仕上げ塗料を塗布して完成です!
工事完了後雨が降るまで足場を架けたまま様子を見ましたが、内部に雨は漏らなくなりました。
ちょっとべったりした見た目になっていますが、ウレタン系塗料の特徴でもあります。
地震などで建物が揺れたときに、ウレタン系の塗膜は伸び縮みして追従してくれるため、建物にひびが入ってしまっても塗膜でひびに雨水が浸入しないように頑張ってくれます。
建物には木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、ブロック造、鉄骨鉄筋コンクリート造など様々ですが、特性を見極めて使用する材料を決めることが大事です。