函館市桔梗町にある住宅の漏水修繕工事です。
今年の冬にバルコニーに雪が積もり、バルコニーの排水管も氷ってしまったので、お湯を掛けて溶かしていたら、建物の中に水漏れが起きてしまい、原因がわからないことから当社に相談いただきました。
漏水の問題になったバルコニーです。
この住宅は1階の住宅部分(部屋)の上にバルコニーがあるタイプで、屋根ではなくバルコニーが雨水が浸入してくることを防ぐ仕様となっています。
バルコニーに溜まる雨水の排出のために排水パイプを設置し、雨水を処理しなければなりません。
その排水パイプが建物の中を通ることになります。
それがこちら
この柱型として部屋に出っ張っている箇所は柱ではなく、バルコニーの雨水を排出するためのパイプが通るスペースとして確保されたものです。建築屋さんはこの場所を「パイプスペース」と呼びます。
この辺りから水漏れが発生し、床が水浸しになったそうです。
1つ目の原因はこのパイプスペース内で起きていると感じました。
ポイントとして、今年の冬に漏水したのを最後に、多少の強い雨でも漏水は見られず、漏水したときの状況は排水パイプ内が氷っていて、それを溶かしたら漏水したということです。パイプの継ぎ目に問題があるだろうと予想しました。
2つ目の原因はバルコニーの手摺代わりになっている場所の天端の笠木です。
笠木の継ぎ目を見てみると。。。
ステンレスの釘で留め付けられており、この釘の隙間から水が浸入している可能性もありました。
調査の段階で怪しいと思った箇所は全て報告し、お客さんと相談します。
今回は可能性のある2箇所を工事することにしました。
バルコニーの手摺笠木から手をつけます。
冬になるとこの笠木の部分に雪が積もり、溶け出したときに先程の写真の釘の場所から漏水する可能性があるので、笠木に雪が積もらないように、笠木に勾配をつけることにしました。現状の笠木は平らです。
新しいトタンを貼りつけますが、ジョイントになる部分にコーキングをしっかり打ち込みます。
ジョイント部分に黒く見えるのがコーキングです。この後次のトタンをジョイントしていきます。
完成しても見えない部分ですが、しっかり施工します!
そして釘を打たなくてもいいようにトタンを折り返して止めていきます。
排水の口にガムテープを貼りバルコニーから水を流して、パイプの中に水を貯めます。
こうすることでどこから漏れているのか特定できます。
漏れていた箇所は、バルコニーのすぐ下の配管のジョイント部でした。
管径が合っていないものを使用していたため、排水パイプに水が一杯になるとこのジョイント部から漏れ出します。
水滴見えますか?
既存のパイプを撤去します。
光が見えるのがバルコニー部分です。このパイプにジョイントするパイプが小さいものであったため、隙間から漏水してしまっていました。
径が太く適正なパイプに交換します。
この状態で先程のように、パイプにガムテープをつけて漏水試験をした結果、水漏れは起きませんでした。
水漏れが起きていないことを確認し、排水パイプに保温材を撒いていきます。
この保温材をしっかり撒かないと、結露の原因となります。
排水管の工事が終わり、パイプスペースの壁を作って工事完了です!
このあとクロスも貼りました。
工事中お客さんも心配そうに現状を確認しておられましたが、「原因が特定できて一安心だ。」とおっしゃっていました。
今回の調査で2つの原因と思われる箇所を特定し工事しましたが、工事前に原因を特定するのは、経験と知識がなにより大切です。
今回の排水パイプに関しては、この住宅を作った業者さんが、径の合わないパイプを差し込んで工事を終わらせてしまったことに原因があります。
見えない部分の施工に問題があることを工事業者の「瑕疵」といいます。
隠蔽部分をしっかり工事していなくて、住人に被害が起きた場合には、救済制度があります。
工事業者が新築する際に必ず加入する「瑕疵担保保険」がたとえ新築してくれた業者さんが廃業してしまっても、それに変わる工事業者が保険を使って工事を出来る制度です。
今回のお客さんの住宅を作った業者さんは廃業してしまっていたので、瑕疵保険を適用した工事に当社を指名してくださり無事原因を特定して工事完了しました。
漏水や雨漏りにはその建物の形状に起因して様々です。
工事に入る前に調査を行ってほしいという依頼には、無料で対応させていただいていますので、お気軽にお電話ください!